印鑰智哉先生と、菌根菌(前振りからの別編)

LUSH! クミチャンネル NEWS & INTERVIEW

2023/09/13 21:18

フォロー

前回の読み物から、前述として書き始めた、印鑰智哉さんのご紹介が膨れてしまったので、こちらに移し、一つの記事にすることにいたしました。

印鑰智哉さんと初めて会ったのは、戦場ジャーナリストであり、環境ジャーナリストである、同年代のフリーランス、志葉玲さんの定例活動報告会にて。

 

ゲスト講師としてお越しになり、地球温暖化の進行や、生物多様性の消滅具合について、その場に来られていた生物学者の方々らと知見を交換していらした日でした。もう、数年前になります。場所は確か、神保町の専修大学でした。

▲Facebookなど登録しておくと、時折、ゲスト講師とは別に、戦場の報告会

や、環境問題の勉強会や報告会などを催しています。

 

 

この日、印鑰智哉さんは、ものすごい勢いで消滅している地中の「菌根菌」について解説し、このような微生物が生きて活動している「土」が地球上から、あと60年で無くなろうとしている、と警告を発しました。

筆者は、今まで聞いたこともなければ、考えてもいなかったこの警告に仰天し戦慄し、呆然としました。足元で一体何が起こっているのか。

 

客席からは東南アジアで研究をされていた生物学者の方が、恭しく挙手すると、顔を青くして、アジアの森では、物凄い勢いで、動生物の種(しゅ)がここ数年で100種も消えて行っている」、と打ち明けました。

地球上の生物が、このまま終わるかもしれない、という気まずい空気が流れました。

 

印鑰さんは「土」を地球上に止めるために、今すぐ農薬を使う農業をやめなければいけないと警告していました。そして、植物の実際の根っこに続いている白い髭のような、カビのようなものが、消毒すべき悪いものではないどころか、実は有能な微生物であり、彼らを甦らせることが、土の存続に於いて急務だ、と仰いました。

 

そして根っこに取り付いて、根っこの延長を作ってあげる彼らは、植物にとっての栄養を製造しながら、周囲の植物と根を繋ぎ、植物同士の助け合いで、栄養や水分の交換がなされる、連絡と運搬のルートとなっているという事を、広く世の中に認識させたいと言いました。

 

▲▼菌根菌。ネットより図表、写真をお借りしました。

 

 

また、先に知っておく事として、植物には脳はないのですが、全体として生命体としての意識のようなものや、身を守ろうとしたり、生殖・繁殖に工夫を凝らすなど、れっきとした知性があります。このため、音楽や話しかけに反応するとも言いますね。

 

そんな彼らは、菌根菌で繋がって、糸電話で、さまざまな情報を連絡しながら、お互いを元気に生かし合い、共通の危険を避ける為の相談と努力をしているのでした。通りで!と納得するところがありますね。

https://newscast.jp/news/738173よりお借りしました。チェロは特に樹々の音楽ですね。

(筆者は普段から、音楽自体が、彼ら自然の息吹、数々の命のざわめき、せめぎ合い、その相互作用の喜びなどを知覚できるものに表現し直したものだと考えています。)

 

私は小学2年生の頃や、部活に入っていなかった転校後の中学生時代、一人で誰もいない花壇に来て、雑草を抜いたり水をやったりしていた事があって、それなのに報われず、花壇の花々は、むしろ根腐れをする様で、ちっとも元気になりませんでした。

田圃の真ん中で育った自分は、東京に来て緑道沿いの住みました。夏野緑道で自治体の発注により雑草が全て取り除かれると、水分が飛びやすくなってドウダンなどの低木庭木が赤茶けて枯れたり、散歩する時の酸素量、涼やかさ、青草の香りの清々しさが取り除かれ、緑道の悦びが半減することに気がつきました。

今は、自分の家の花壇や鉢に生える雑草を全部取ってしまったりしません。特に背の高くなる穂草は上の方を切り取り、根っこから引き抜くものは最小限、根を増やし、かなりの面積を取る雑草に留めます。また、抜いた草はハサミでカットして短くし、植物の根元に敷き詰めて日除けとしたり、新しい植木鉢の底に丸めて敷く様になりました。

すると花壇はとても元気になり、ハーモニーや生命の喜びを感じる庭になってきました。一時は大量発生していたダンゴ虫もあまり出なくなり、雰囲気もとても良くなりました。

 

 

異種の植物同士が遠方とも、この糸電話で連絡し合い、病気や気候について情報を先取りし、我が身に備えている事、その連絡ルートは、東京から山口県までの距離を行き来すること、この話に筆者はとても震撼しました。

 

端的に言って、私たちは人間以外の生物、微生物や植物の偉大で寡黙であることをナメすぎていたと思いませんか?

 

この糸状菌や様々な微生物が死に絶えれば、文字通り微生物と共に有機物を循環させる「土」はこの世から滅亡し、世界は砂漠になってしまうのです。

 

私たちが生きられなくなることはいうまでもありません。

▼ PHC Film:土は生命体。この動画は、英語ですが、ちょっと字幕あり。

 印鑰さんのブログから引きました。イメージを掴む為に、ぜひ見てください

 解説動画▶︎ https://youtu.be/jTEyhqyxxq0?si=GPZdtYhsQ2toL-JA

 

菌根菌は、空気中から窒素を吸着し、そこからリンを製造して、根っこに固定化します。リン、は、化学肥料の原料になっていますが、彼等を活かす事を、日本の農業が習慣化すれば、リンの輸入が不足しても大丈夫なんですね。

 

というか、「呼吸する土」と言うのは本来この、微生物の働きであって、私達は考えも及ばないような機能を、植物と共生することで担っていっているのですね。いやあ、たまにキノコという自己主張の形で発露されても、そりゃあもう、感謝してもしきれない高い能力の存在なわけで・・・。

 

微生物の活動が活発化すれば、窒素はますます吸着され、光合成をしてくれる植物にとっての栄養になるのです。だから、これで光合成が盛んになれば、二酸化炭素を吸収し、排出される酸素も増える、というわけ。

 

参考▼森林生態系を支える菌根菌ネットワーク【地面の下のたからもの】

   @サイエンスウィンドウ

https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/sciencewindow/20230621_w01/

 

▲印鑰智哉さんのブログに掲載のお写真(動画内から) 糸状菌

https://project.inyaku.net/archives/3680

 

▲印鑰智哉さんのブログに掲載のお写真 植物の根の周りで起きているコト。

https://project.inyaku.net/archives/3680

 

 

 

▲菌があると根は伸びる。栄養と水分と情報をキャッチするために・・・

 

 

異種植物の根と根をつなぐ糸状の菌根菌は、言うなれば、海に対して陸の主役とも言える存在です私達は今まで、共に地球の上で行きながら、農薬でこの有能で全ての恵みの源であった地中菌を殺してきたのですって。

 

そしてそれが微生物を死骸にして、二酸化炭素を増やす原因となって行った。どうやら私たちは、来た道を引き返すところまで来ているのですネ。

 

   ▲インターネットよりお借り

 

化学肥料の原料が輸入しにくくなった今回のウクライナショックは、人々がこの菌根菌を見直す大きなキッカケになってきています。

 

世界の物流構図が変わったため、「リンが輸入できない!リンの輸入量が足りなくなる!」と言うわけで、政府も対策を講じようとしています。しかし、この菌糸達は空気中の窒素を根に固定してリンを製造し、供給しますから。。。ですからこれからは、人間達は今から、菌糸達が活発に生きられるように土壌を改良し、工夫すればい良いのです。

 

▲立憲民主党の農業キャラバンで全国を回り、糸状菌を手に取る徳永エリ参議

 

それには、農薬を一切辞めること。土壌の中の自然菌を消毒したり、毒薬で殺したり、しない様にしなくては、という真反対の理論に行くのですね。雑草を周囲にある程度残し、むしろ「酵素入りの有機肥料を考える」と共に、日本人らしく土壌に発酵の力を利用することです。

 


これは、化学肥料のいらない「菌ちゃん農業」の話に繋がっていきます。

▼参考:発酵要素・糸状菌を使った土づくり 吉田俊道先生(発酵の楽園)

▲この絵は、映画「発酵の楽園」のものです。菌と仲良くすれば、むしろ農薬なしの方が丈夫な野菜が育ちます。ここの葉物は強いので虫食いは殆どなし!

 

▼人気の、女優・柴咲コウさんとの家庭菜園実践シリーズも注目です!!

https://youtu.be/GvqwRtIcz2w?si=fKwCujhz6sripZqM

 

 

他、資料

▼日本菌根菌財団
https://jmff.jp

▼作物の生育を促進させる「菌根菌」とは?種類や効果、増やし方、根粒菌との違いなど、菌根菌を徹底解説!@AGRI PICK

https://agripick.com/10574

 

============================

 

幾つかの動画の中で、吉田先生の農業では黒いビニールを土壌の上にかけて醸造中の菌を保護するのですが、藁の下で菌糸をはじめとする地中菌が活発になる昔の農業の踏襲だと仰っています。根元に藁を被せていた昔の農家の方が、理に叶うことをして来たわけです。

 

菌ちゃん農業を広げようという手作り動画は、農家さんというより女性のツアーものが多いです。まずはアレルギーを持つ親御さんたちは、もう自分達で畑を借りて、安全な野菜を作ろうとしているということ。そして100匹の猿の法則、家庭菜園での実施者が増えれば、吉田さんの予言通り、多くの農家さんが評判を聞いて自分でアレンジし出すわけです。

最近は、菌ちゃん農業を見ていたら、Youtubeから勝手に色々と素人さんの動画がレコメンドされてきて、見てみると最近の若い農業人たちも、思いついては色々とやっています。まさに横の繋がりから広がっていますね!

 

▼刈ったばかりの雑草を畝の底30cmに米糠と木酢と炭を加えて埋める。

https://youtu.be/72b4v260V-c?si=HSpc3uvMn1LyR9pB

↑この方法は私も賛成。枯れていない生草の酵素と生命力が齎される!

 

▼微生物を畑に撒く!誰でも簡単に土をフカフカにする方法(BLOF理論)

https://youtu.be/KxMBtzrLAS4?si=28QPRe4IZkiaTpK-

↑今は、化学肥料に代わり、菌床を作るための資材が売っているんですね。

 

▼雑草の根は、実は抜かないほうが良い?

https://youtu.be/B9Q8NemTPPw?si=aQTgJzVPrSR01aGq

↑同感です。公園、緑道、花壇の整備も、そうしていただきたいですね。

 

▼○○菌が効果絶大!!1ヶ月足らずで、地下1mまで軟らかく

https://youtu.be/4Scd5ZIMTUE?si=0MSYzU-7lGP9gnAC

↑納豆菌と米糠は、もう全国で大人気であります。日本は恵まれた国。

 

▼ええっ!○○菌が効果絶大!!深度1m以上、土がフカフカに!

https://youtu.be/4Scd5ZIMTUE?si=CxAOtEBBqVmwS5_v

↑今は、化学肥料に代わり、菌床を作るための資材が売っているんですね。

 

▼絶対に見てほしい!雑草を刈らずに、積み上げずに堆肥にする方法

https://youtu.be/ic853QHwPQM?si=_DKCdAz-_IpkTwm-

↑先に発酵させると根っこを抜くのも簡単ですよという話ですが。

 

 

私たちはここ数十年、なんて馬鹿なことをして来たんでしょう。

根元に毒薬をかけて、供給者たちを駆逐して来たなんて。

 

そしてコレは、有機的な民主主義社会を「粛清」なんかで消毒するとどうなってしまうか?と言う話に似ていますよね。

 

庶民の生産性や生き抜く力、クリエイティビティ、健全性などを雑草に例えてみたら。。。庶民はなによりも力強く有能で生産性が高く、土壌も気中もを喜びで満たしていく役に立つ生命体なのに、恩を仇で返す頭の悪い富裕層が、その庶民を片っ端から枯葉剤で根絶やしにしようとしている。

 

雑草のような庶民を蔑み、薔薇などの鑑賞用の花、「役に立つ工業製品」の野菜(養殖エリート)だけを栽培するために、糸状菌で彼らの健康を助けるはずの雑草を悉く抜いて、人工肥料で実を太らせて、得意げにしている。。。。ああ、どこかで見た風景だわ・・・。

 

まあ、そういう、先住民族が大事に考えていた「共生」の精神を顧みず、全国規模にそういった愚かな農工業を展開しようとしている、海外由来の圧力に負けて少農時代に対応しようとしているのが、今の政治です。みなさん、もう待った無しなんです。我々が滅びる社会にするか、我々が栄える社会にするか。

 

ワクチンで、インボイス制度で、マイナンバー保険証で、さまざまな違憲の法律が、得意げな超管理で、各々の生きとしいける生き物の存在意義を詰み、活気のない死んだようなコルホーズが、まるで疫病のようにこの国の躯体を蝕もうとしています。明らかに、根本的に間違いだったのです。

 

私たちが違う。そして日本民族は知っている。雑草のような元気な庶民、他者を助け、育てる庶民、この世を活気と喜びで満たす庶民、害虫を駆逐し、水分を地中深くから組み上げる雑草、雑草なんて呼んでいいの?本当は名前があるんです。彼らにも尊厳があるはずなんですよね。

 

彼らこそが地球上の主役であり、庶民こそが国の経済のエンジンであり優しさであり、地球の贈り物そのものだったのです。どちらも根絶やしにしてはいけません。永久に循環できる地球からのプレゼント。この循環能力を無視し、根絶やしにしてはいけません。

 

私たちは、地球の知性の僕であり、地球の皮膚の一部なのです。

 

ページを報告する

コピーしました

コピーしました