郷原さん、有楽町での対話集会を行う小川淳也を訪ねる11/26
===中堅層の新鮮さ、立憲民主党、代表選===
立憲民主党の代表選が、南北の都市や首都近郊で行われ、静かな”さざ波”を立てている。現実対応と言って憚らない与党自民党よりも、国民の現実に近寄って問題や理想を掲げて戦ってくれる可能性が高く、親しみやすい野党第一党であるという印象を持たせるチャンスである。代表候補が、毎日沢山の話をしてくれる。
枝野氏や福山氏がカジュアルに語れなかったことを、政局の方を見て、ではなく、今こそ本音で、市民や末端党員・パートナーズに向かって話す様は、今までなかなか見られなかった<内向きの><親派向けの>立憲メンバーの素顔、声音、理想であり、大変興味深い。
その中でも小川淳也氏は、代表選の間、「対話による政治」を実施するために毎日、有楽町にて街宣というか対話集会を行なっている。この日は午前11時からの街頭演説に挑んだ。元官僚でありながら優しく気取らず、市民の想いを受け止めようと必死でマイクを握る人の話を聞き続ける。24日水曜日の夕方は、150人もの聴衆を集めたことで世の中を驚かせた。いわゆる中流層は皆、自分達とモラル観や生活感の近い国会議員が、自分達と対等に話をしてくれるのを待っていたのだろうか。
彼の場合は、一人のジャーナリストが丁寧に追い続けた長年に渡るドキュメンタリー記録の映画で知名度を上げた経緯があるが、しかし人気の一因は、ごく平凡で善良な一般市民の存在を代表する面も大きいと思われた。高校の同級生と結婚し、新婚当初の小さな住居のまま、家族ぐるみで地盤支持を育ててきた。地道でズルをせず、市民目線の普通の暮らしをしてきた。ただひたすらに全力投球を続けて今に至る。
映画では、どちらかというと小池百合子と前原誠司への義理に振り回されて、不甲斐なく、格好悪い場面も多くある。地域の代表でありながら、組織人として働かなくてはならないジレンマ。彼は一旦、玉木氏の元も離れ、無所属にもなった。その悩みながらの「流転」もまた、共感を集めている。急いで無理に力を付けようとすれば、悪い金に捕まってしまう。自分を厳しく律しながら正気を保とうとする小川淳也に観客は涙した。
普通の神経を持った人間が、思うに任せない現実、権力闘争を伴う党内の軋轢、その中で翻弄されながらも、使命を全うしようとするのを目の当たりにした映画鑑賞者は、国会議員は自分たちと変わらない人間だと感じ、極端に不安定な立場の中で渾身の努力を続ける「議員・政治家」という職業に、改めて畏敬の念を抱くことになった。
この度はそんな彼の在り方が身を結び、この衆院選で、地元のメディアを親戚に持つ強豪、平井元デジタル庁大臣を初めて小選挙区で下しすことが出来た。快挙である。彼はこの結果を持って、代表選に名乗りを上げた。現在、当初、議員職を辞することを考えていた50歳に達しての決意だそうである。その意味で、彼にとっては代表選出馬は早すぎるものでは、決してないようだ。それは討論会で言葉数が一番多く、思いを尽くしている様子からわかる。
===小川淳也の渾身の質疑、データを疑え!!===
ところで、映画の中では、国会で渾身の質疑を果たす場面が、映画の終盤に少しだけある。その、大変話題になった小川議員の質疑の内容は、確か”政府による統計データの見せ方、改竄”とも言える国民への背徳行為についてだった。官僚として真面目に働いていたからこそ、見つけられた、国民への背徳行為である。
参考▶︎論座(ご本人の執筆記事) 2019年の2月4日 政治家圧力による政府の統計不正に関する質疑
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019020500007.html?page=1
参考▶︎当該質疑の動画(映画に一場面、使われた話題の質疑。2109年2月4日) 1時間4分
参考▶︎任意の書き起こし(事務所がOKしたもの):お時間のない方に
https://note.com/cynicaloid/n/n6e4526a2e1c8
統計データ使いの卑怯さや捏造、改竄、に於いて現与党の国政を責めた小川氏に対して、凄腕弁護士の郷原氏がこの有楽町まで、て手づから<立憲民主党への公開質問状>とその為の資料、を持って来たのは、小川淳也氏にとって、何とも言えない皮肉な話なのであった。
・・・・・いや、或いは、<ドンピシャな課題>であるのかもしれなかった。
と言うのはこの話題、横浜市民がこの日の夜に待ち受けている、神奈川県での党首候補者討論会に関係があった。立憲民主党が推薦した横浜新市長の件で、選挙に関わった市民や記者達から、候補者たちが厳しい質問を受ける可能性があったのだった。郷原弁護士は候補者たちが市民の質問や記者会見に備えてくれるようにと、顛末を表す資料”ヨコハマ・モンダイ”を持って現れたのである。
小川淳也候補は、【データ・サイエンティスト】という職業を信じるだろうか?私は小川氏ならば訝って当然だと思っている。だって、中央政府がいつも開き直って、都合のいいデータ加工を行っているのだ。小川淳也が国会で訴えたのは、改竄だけでなく、データの不正な操作、なども含むのではなかったか?
15人の部下へのパワハラ疑惑については、FLASHの記者が初の市長会見で否定の理由や証拠を求めたが、山中氏は黙って逃げ切ってそのままだ。市議会では、市大が「選挙に中立」と発表した声明文の内容を、不当圧力で選挙に有利なように変えさせた経緯について”市立大学の自治への干渉”という名目で、審議も続けられている。
実際に判明した山中氏のアメリカ留学中の役職詐称「詐称:リサーチ・フェロー(教授職)→実態:ビジティング・フェロー(実習生兼助手)」また、国立がんセンターにおける履歴詐称「詐称:部長→実態:部門長」等は、この日の横浜での立憲代表選討論会後の記者会見を通して、更に広く知られることとなった。実際に医薬品会社からのリベートを受け取ってきた過去もネットで明らかにされた。その高額のリベートの金額さえも、こう言った役職の詐称に寄って得たものなのだろう。
つまり、これまでいつでも嘘をつくことを厭わなかった人間が【データ・サイエンティスト】という職業をやってきた、ということと、彼を擁立することを「便利だ」と思う人間がいる、という、一本筋が通ってしまうような話なのだ。
この山中竹春新市長の問題について、立憲民主党としての責任の取り方をどうするのか、各代表候補に答えさせたいと思い、その個性の違いが現れるのをを期待して、郷原氏は4候補への公開質問状をブログに著した。
参考▶︎郷原ブログ(立憲民主党党首候補に公開質問状を出したという内容)
郷原弁護士は、山中竹春氏をコロナの専門家と呼んで安易に擁立し、候補者選定のプロセスに瑕疵があることについての様々な人々からの忠告や、週刊誌F報道に対して然るべき対処を取らなかった「立憲民主党」のガバナンスのあり方を批判した。この時の対応を、国会議員による、党勢拡大を主眼においた、市長選の軽視による「地方自治に対する重大なる過失」と考えたのだった。
衆院選が始まると、タブロイド紙風のチラシを作成してHPに貼り、SNSで拡散する方法で(落選運動は、選挙期間中は団体で運動してはならないという規定がある。)立憲の江田憲司氏と、自民の甘利幹事長の落選運動を行ったばかりである。弁護士が自身にタスキをかけ、4つの駅前で短時間、演説をしてチラシの受け取りを促したのが功を奏し、自民党の甘利氏は小選挙区で当選せず、江田氏も大きく得票を減らした。
▼江田憲司氏、甘利明氏の落選運動を、午前、午後、2駅前づつ、展開!(動画リンク4本あり)
郷原弁護士といえば、小沢一郎氏の陸山会事件だが、凄腕というのは本当なのだと思い知る。これが実際に功を奏したからには、人々の中に彼らへの疑念の感情が潜在し、このタブロイド紙風のチラシには、言葉の端々に事実が持つ説得力が宿っているのだ。問題への切り込み方が完璧なのは言うまでもない。
というわけで、候補者たちは公開質問状に関しては、問題を把握し、早々に回答したほうが身のためだと思う。
===横浜市長には、能力と共に高いマインドが必要だった===
横浜市は18区からなる政令指定都市、財政の規模も東京に次いで高く、大変な政治能力が必要になる。外資が入りやすいことから最も新自由主義の被害を被りやすい地域でもあり、高いリテラシー感覚が必要でもある。横浜市長のポジションは、政治的な経験や知識が豊富な方が望ましいことはもちろん、意識や意欲が低くてはとても務まらないポジションだと思う。
そこに擁立されたのが、「コロナ予防にはイソジンうがい薬が一番」というお馬鹿な提言を大阪維新に出したのが、当の山中竹春氏だったので、気がついた人々の間ではちょっとした騒ぎになった。報道ステーションに出演し、コメントした経緯から「コロナの専門家」という謳い文句が生まれた。実際は、山中氏は医師ではないので、たまたまコロナ関係のデータの抽出を頼まれた、データ専門家というだけである。ご本人には区別がついていないらしい。
注目を浴びた山中氏の実態【データ・サイエンティスト】の実態とは何ぞや?「イソジンが効いて居ます」というデータを作れと言われれば作れる職業ではないのだろうか??だとすれば、切り取りや加工の魔術師が、そもそも倫理的な観念と親和性があるだろうか??人々をある意味欺く性質の役割を果たしてきた人間は、行政の長に相応しいと言えるだろうか?
まさに小川淳也候補に奇くも窓口として突きつけられた『地方行政における立憲民主党の真面目な姿勢が問われる責任問題』なのである!!笑。
===民主党の家庭教師・横浜市の護衛官だった郷原氏===
郷原弁護士は、横浜市の林市長のコンプライアンスを担当され、その前も数年、外部担当者として横浜市に関わってきた。立憲民主党にとって郷原氏といえば、仙石氏時代・旧民主党のコンプライアンス・アドバイザーでもあった。ごく最近まで、郷原氏は立憲民主党の与党批判に、大いに力を貸してきたもので、いわば民主党の流れを汲む主流派にとってはむしろ恩人であるような人物だ。
彼は江田氏の態度に、自分達の基盤の関係強化を重視した、自民党の利権構造となんら変わらない無責任な姿を嘆き、次回の代表に、市民政党としての自覚を強く促そうと、やって来たのである。
林市長をはじめ、県知事などの政治家に「特に重宝された山中氏」というが、それこそ「データの見せ方、切り取り方」を駆使しする人物という意味だろうと感じた。穿った見方をすれば、<データの切り取り方や見せ方によって、議員に本質を見誤らせ、目論む政治家の思惑通り、利権関係の実現のために事を運ぶ、そのためにデータ加工をするお手伝い役>だったからではないのか?(※これは、郷原弁護士が表立って取り上げていない、私独自の観点である。)
筆者は、「世論調査」などのデータについても、あまり信じていない。安倍晋三が、「パートの奥さんは月収24万」と国会で言ったではないか。そのうち、データというのは切り取り方や、見せ方や、屁理屈で、どうとでも意図的な論拠を作れるものだと、誰かが教えてくれた。それで今では、生物的本能に沿わないものである限り、あまりデータを真面目に凝視することはなくなっている。
議決に於いて国民を欺くデータ資料、というものが、実はまま、存在する。小川淳也氏の質問動画を見れば、国政の決定元になっているデータも、目も当てられない状況なのがわかる。資料が茶番な限り、国会決議に国民を救うに妥当な結論は出てこない。地方議会においても同様である。例を挙げてみると、私が記事で取り上げてきただけでも、2つある。
◉選挙制度に於いて、自民党だけが徐々に膨れ上がる比例カウント方式「ドント式」を採用した経緯に於いて、与党内閣と癒着した法制局の裁判官が、事実を歪めたテキストを書いた事。実際は小政党が理不尽なほどにどんどん議席を減らす仕組みである。これで国会に意見の多様性を謳うことは真逆の論理、絶対に無理だ。
こんな選挙制度設計を、自民党幹部と癒着した法制局の裁判官がお墨付きで肯定したお陰で、不正が当たり前、リベートが入らなければ必要な支出も一才拒む、という、目も当てられない長期政権が膨れ上がってしまった。アベコベ政治で票田だけを潤しながら悪の肥え太りのみならず、国益も税金も国外に放出しながら、腐敗与党として蔓延っている。
◉水道民営化(運営丸投げコンセッション方式)を地方自治体に受け入れる事を可決するため、収支シュミレーションの資料に、実際は支払わなくてはならなくなった費用「株主への配当予算」「ヴェオリア社長への報酬予算」が、反映されていない対照表が使われた事。
このやり方を許していると、世界における実績ベースで、水道料金は最大、7倍の高さに跳ね上がる。水洗トイレも難しくなるような市政など誰が望むだろうか?有識者の声を聞いて、海外の事例を調べた自治体は可決していない。多数決で決まったから仕方がないんです??冗談じゃない。資料が、データが詐欺なんですから!!
ご覧のようにデータの欺きによって、市民・国民は甚大な被害を被るようになる。我々はこう言った時代に生きるからこそ、データの嘘つきを駆逐していかなくてはならないのは言うまでもない。江田氏に山中氏を「人材」として推した人物には、そう言った目論見が最初からある可能性があるかもしれない。益々、市民の税金が身勝手な政治家により、どう使われるかわからないと思った方がいい。
故に、【これは小川淳也議員が分析すべき問題に他ならないのではないか!?】なんてビンゴ!な気分。
====山中氏、他にも、人選の懸念材料が===
パワハラ疑惑以前に、横浜市長選挙を取材していた筆者が疑問に思ったのは、野党統一候補という事で、立憲民主党が主に人選して山中竹春氏を擁立した時に、その根拠がほとんど「テレビに出たことがある知識人」「県庁からの紹介」というだけだった可能性が高い、ということだった。その背景として、自民党によって三原順子が市長候補として擁立される可能性に対抗させた、ややハンサム?な若い男性を選出したという動機ではないかという噂が立っていた。結果、三原順子は出馬しなかったのであるが。
市長の地位は名誉や飾りではない。命と未来を預かる、重い任務だ。知識がおぼつかなくても、少なくとも市民を守る人間としての人格が必要になると思う。林市長のお抱えであったとは言え、市政や政治のあり方に対し、自発的に殆ど関心を持って来なかったと見られる人物を、首長に、無所属で推薦する、という無神経が、筆者には理解できない。横浜市にも実績を積んで頑張ってきた両党の党員や、市民の中の賢者・リーダーが居ただろうに。誰かが引き上げに合えば、グッと希望の持てる世の中になるというのに。
山中竹春を「コロナの専門家」と担ぎ上げたのはいいが、彼は医者でもなく、頼まれたデータを出すだけの人間だ。なのに、【コロナの専門家】というのは、コピーライトにしても、少し”言い過ぎ“だと思っていた。公約は途中、田中康夫氏の公約案も流用し、深い理解もないのに軽薄に語っていた。しかも平気で事前運動を行い、最終日の終了後、自らが「51日間の選挙運動を終えました」と語った。
※しかも最近は得意の数字の分野で、コロナに関する発表にて分母を間違っている💢
山中竹春氏自身が、立憲民主党に対して立候補を強く希望して自身から手を挙げた、という経緯は、非常に考え難い。実は山中氏の前に、同大学の教諭で大山氏という人物が擁立されかかったという情報が横浜市民から出ているので人選案のスライドである可能性もある。しかも、新聞スクープの後、授業を数日放り出して大学からの電話に出なかったのだから、むしろ“現況から逃げ出すのに、ちょうど良い口実が出来たので乗った”という風に見えなくもない。
※下記の記事で、この時の会話の様子を読んでいただければ、上記の様子がよく現れている。山中氏はこの時、「自身が希望しての立候補なのか、白羽の矢が立ったのか?」という簡単な質問に答えず、5分ほどしてから戻ってきて「広報に聞いてくれ」と返してきた。筆者はすでに事前に3箇所の事務所に電話連絡をし、「本人にしかわからないので本人に聞いてください」と言われてこの場所に伺ったのであるが。
▼以前のクミチャンネル記事 8/17
https://lush-kumichannelnews.bitfan.id/contents/30183
一方で郷原弁護士は、15人の退職者のうち2名から、相談を受けていた事から、(大学のコンプライアンス部が適切な対応をしなかったのだろう)山中竹春氏の経歴やこれまでの行動、市長からの過大評価など、FLASHの報道よりずっと前から訝しい点を収集していたようだ。彼らの事前運動中に、当該弁護士は「彼のパワハラの実態は非常に陰湿極まりない性質の上、経歴詐称の疑惑のある人物、決して市長に据えてはいけない人物だ」と、立憲民主党県連に連絡を入れ続けた。しかし、主に江田憲司氏が独創体制で、人物精査に取り合わなかった。
神奈川県連は、今回の党首選で立候補されている一人である逢坂誠二氏から、地方自治の重要性、責任の重さ、をしっかり説いてもらった方がいいし、厳しく指導を受けるべきだと思う。
加えて山中氏に仕事を教える副知事は、菅義偉さんの腹心。
これでは一体、何の為の選挙だったのか?これを手放しにさせるとは言わせない。